- 社長雑談
- 2015.08.14
教えること、教わること
画像はLABO INDIA、前回、ヴェヌゴパールさんの南インド料理講習です。
講習会、クッキングスクールなどでは、1人(講師)対多数という構図ですが、我々の厨房内ですと1対1が多いです。
この時考えるのが、「教える側の論理」、「教わる側の論理」です。
今でもありますが、レストランの厨房には「徒弟制度」なる考えがあります。
「入りたての者は、何もできないのに、こっちが教えて且つ、給料まであげる。学校は逆に教えるのに金をとっている」
こんな考えがあり、高級レストラン、料理店ほど、現在も初任給が低い事例があります。
しかし、ここで考えたいのが「教わる側の論理」で、今までは「見て盗む、憶えてやる」という気構えの人間が普通でしたが、徐々に”教わるまで待つ”あるいは「上司は教えるのが仕事」と思うタイプが増加。
あるいはサラリーマン型。一定時間の労働の対価を得る。就業時間、休日などを優先するタイプもいます。
この「教わる側の論理」で重要なのは、教えてくれる人への信頼です。
これが構築されていないと、教える側もぞんざいに、手抜きになります。
インドの料理社会も、基本的に徒弟制度ですから、教える側へのリスペクトがとても大切です。
彼らは、スパイスや塩なども計量せずに目分量で行うことが多いです。
また、煮込み時間も火力、素材の状態によって変わりますから、経験値からの感覚です。
しかし、信頼関係ができていると、「油がこう浮いてきたら終わり」「香りが足りない時はこやって」「このスパイスは多くて大丈夫」などなど、ポイントを自然と教えてくれます。
逆に、リスペクトされていないと感じると、適当に流します(笑)。
やはりいい料理人たちは、教わり方が上手だったんだろうなと想像します。