- 社長雑談
- 2022.07.04
ゴアとポークビンダルーのお話 その2
なぜか昨夜は朝方、ポークビンダルーの夢を見ていました。「病膏肓に入る」ですか。
その1にも書いたように、ポークビンダルーはインドではメジャーなカレーではありません。
どこでも食べられるものではなく、ほぼゴア、あるいはゴア料理店のみでしょうか。
あくまでもカトリック料理ですから。
長い間、ポークビンダルーの“追っかけ”をしていたので、レシピ以外にも、いらんことを知りました。
元々ポルトガル料理で、1500年代にポルトガル船員がゴアに伝えたと言われています。
マデラー酒のマデイラ発祥の料理で、マデラー酒とワインビネガーを使うというのがポルトガル式だが、当時の本には「ゴアには酢の文化がなかった」ので、タマリンドで代用となっているそうな。
確かにインド料理では、酢酸発酵の酢ではなく、タマリンド、コカンベリー、ライム、グリーンマンゴ、ザクロなどを酸味に使います。
ココナッツのトディーから酢酸発酵で酢を作ったのは、1800年代とも言われています。
しかしそのポークビンダルーが、ムンバイ経由でイギリス人たちに伝わり、1880年頃には、イギリスの料理本に載っていたらしいです。
世界的というかこの世にインド料理として知られたのは、1970年以降、イギリスでインド料理店がグンと増えた時。
しかしそれは、バングラデシュ料理人が多かったため、イスラム的に豚は食べないはずですが、商売のため作ったのでは、ということ(もちろんキリスト教徒もいたでしょう)。
そして「辛くて酸っぱい」が、辛さのみが注目され、辛いカレー=ビンダルーとなり、今でもイギリスではそう思っている人も多いようです。
でもこれが、西洋人を通じてですが、ポークビンダルーが欧米、日本にも認知されたのではないでしょうか。
こういう私も、1970年代に、イギリス経由で知りました。