- 社長雑談
- 2020.10.12
料理写真の変遷
この本は、ケララ育ちでアトランタに移住して、南インドと南部アメリカの料理を、融合させて成功した、ASHA GOMEZさんが、この10月に出版した本です。
今回はヴィヴィッドというか強いコントラストというか、油の滴りまで映し出す、とても新鮮な、ワイルド感あふれるように撮ってあります。
「うん、やっぱりインド料理はこれだよな」と・・・
料理写真は、メニューを中心に、パンフレットや本や雑誌の紹介などで創業以来60年以上撮ってきましたが、その時々のトレンドの様なものがありました。
さかのぼっていくと、メインの料理以外のぼかし、料理の持ちあげや滴り、画面からはみ出させる。また、統一感のない?俯瞰なども織り交ぜた、色んなカットを組み合わせ、デザインを優先させたもの。
料理雑誌や料理本では、そんなところを見ていて、才能は有りませんが、直感的に見てきました。
創業社長も、メニュー写真にはこだわりが強く、料理写真の大家と言われる人に依頼していました。
まだ今ほどカメラもアナログ、フラッシュ、現像の時代で、時間は掛かりましたが、その写真家の「レストランの料理写真(メニュー写真)のポイントは、お客様目線で捉えること。そのレストランの椅子に座り、テーブル上に並んだ料理の見え方で撮るのがいいと思います」という言葉が印象に残っています。
もちろんそうやって撮っているわけではなく、全体が同じピントで見えるように、引いて脚立で、さらに皿の下にコインなどをかませて取っていました。
ちなみに、この写真家のNHK「きょうの料理」のテキストは、作っている時は俯瞰でした。
ボブディランの「時代は変わる」ではありませんが、「敗者だったものが勝者になる」「新しものが陳腐になる」。
変わらぬものあり、変わるものあり。難しいです。