- 社長雑談
- 2020.08.17
Bombay with love
私にとって、もやもやしたものを吹き飛ばしてくれるようないい本を見つけました。
「Dishoom Bombay with love」というタイトル。
2008年のムンバイテロ事件、シャールックカーンの問題、昨年のモディ首相のヒンドゥー至上主義と、ムンバイも危険都市?となったかな。
1995年、ボンベイからムンバイに都市名も変わりました。
1980年代初頭、初めてかの地に立った時はまだボンベイで、新旧、美醜相まみれ、ものすごい活気とエネルギーに満ち溢れ、魅力的な都市でした。
仕事と調理師学校の2本立てで行ったので、午前中は輸出商社をを廻り、午後は1時から6時、ある時は8時ころまで学校でした。
ですから、こちらもエネルギッシュで波長が合い、楽しかった。
この本を読むと、この雰囲気を作り出したのが、パールシ(ゾロアスター教徒)のカフェ文化だったそう。
ここでは宗教もなく皆集い、学校帰りの高校生たちもいたそうです。
しゃべっている言語もマラティー語でだけはなく、商社の人間はタミール語で話し、ヒンディー、そして英語にアラビア語と、和気あいあいな感じを受けました。
やはり観光ではなく、仕事中心でしたので、町や市場の食堂でサッと食べたり、会社関係の人たちとしゃれたレストランに、土日はホテルで会食やボンベイを案内してくれたパールシの人に嫁いだ日本人のお宅で食べたりと、多くの経験をさせてもらい、またこれが初ボンベイだったので、すべての食べ物が印象深く、心に残っています。
そんな時代のことが書いてあるこの本を読むと、あの時初めて出会って、知識のほとんどない私のキャンバスに描きこまれた料理をもう一度掘り起こし、古き良き時代のボンベイの、パールシ、イスラム、そしてヒンドゥーの料理を紹介するのが、私の仕事かと思います。