- 社長雑談
- 2020.07.14
もうインドへは 残像と触覚
インド旅行は楽しかった。
しかし、もう行けないかなあ。コロナ終息と年齢を考えると。
そう思うといろんなことが甦って。
最初はコルカタ。
着陸が近くなると湧き上がってくる「騙されないぞ! 荷物を取られない」という緊張感が徐々に盛り上がって来る感覚。
昔はタラップを降りると、徒歩で空港建物に向かい、中に入ると、エンジンオイル、スパイス、香水、体臭の入り混じった匂い。
高圧的な空港オフィサー。
税関を抜けると、一気に押し寄せるポーター、タクシー、ホテル勧誘。
夜の到着便で、空港から市内までの道路の両脇には寝ている人々の群れ。
目が覚めると暑い。朝の道端では、人々が壊れた水道管からあふれた水で洗面、洗髪。
公園には大量の人間とネズミ。
屋台のカレーの匂い。その横では、中高年の男同士で論争。でもちょっと哲学的。
コブ牛とリクシャ。考えられないほど大量の荷物を積んだ自転車。
空き缶を持ってウロウロする人たち(用足し)。
ほとんどが壊れかけたビル、古ぼけた看板。
赤ん坊を抱いた女の物乞い。子供の物乞い、下半身がなくトロッコに乗っての物乞い。逃げても逃げても追いかけてくる。
また次から次へとやってくる物売り。
するとなぜか警官がやってきて追い払ってくれる。
街角で飲むチャイ、美味い。
ストリートフードはハエとの戦い。
日の暮れはじめは何となく気持ちいい。
貧しいそうだが、仕事帰りの父親と子供の楽しそうな笑顔。
あとで考えると大したことはないのに、旅の興奮で料理はより美味しく感じられ、雑なサービスも受容してしまう。
自分の国では見過ごしてしまうことも、旅は五感に刻まれるもの、視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚に。
しかし、視・嗅・聴・味はすべて、触覚として記憶しているのでは。